人財育成の仕組みづくり

人材育成を見直し、情報共有を円滑にしよう

仲間と一緒に仕事をする時に、大切な「情報共有」。
情報共有がおろそかになると、ミスが増え、業務に支障をきたす場合があります。また、時には社内だけではなく、取引先を相手とする社外とも情報共有を行うことも当然あり、もしミスが続くとトラブルが増え会社の信用問題にも関わります。大きな問題に発展する前に、どのような対策ができるのでしょうか。

今回は情報不足によって引き起こされる問題や、その人材育成における対策方法についてみていきましょう。

人材育成の悩み~情報共有が正しく行われない原因とは?

先日とある企業の部長からとある相談をされました。
「私の部署では現在リモートワークを導入していて、部署の全員で話す機会は週に1度の定例ミーティングだけです。それぞれプロジェクトや部署ごとにも必要だと思ったときに会議を設けているのですが、話を聞いてみると意外と自分が知らない話が出てくるんです。情報共有のために報連相をしっかりするよう常日頃言っているのですが……。」

このように「情報共有をしましょう」といっても実際にできていない人が多く、あとあとふたを開けてみたら、思っていた内容と違いがあって困ったという経験談も少なくありません。

ではどうしてこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
さまざまな企業の話を聞くと情報共有が正しく行われない原因がいくつか見えてきました。

  1. 情報共有を行う目的がわかっていない

「情報共有は仕事を進めるうえで大切なことですか?」と聞かれると、大切だと答える人が多いと思います。しかし、「なぜ」という部分を聞くと、言葉に詰まる人が多いのではないでしょうか。報告する側は「いわれたからやっている」という状態になっていると、どうしても優先順位が下がってしまい、後回しになってしまう場合があります。

  1. ルールが明確に定められていない

情報共有を行う際に、どのように情報共有をすればよいのかルールを明確にしていない場合、共有する側も独自で判断し、必要としている情報が共有されない可能性があります。また、ルールが設定されていても、内容が難しい場合、共有する側のハードルはまた高くなってしまい、渋ってしまいます。また人によって解釈が異なるようなあいまいなルールを設定されている場合も、個人差が生じてしまいます。

  1. 環境作りが出来ていない

コロナ禍によってリモートワークなどの導入により、直接顔を見て話せる機会が減りコミュニケーションが以前のように取れなくて悩んでいるという企業も多いのではないでしょうか。また、業務内容によっては外部との情報共有も発生する場合もあり、情報共有が正しく行われていない場合、仕事にも影響が発生し、最悪会社の信用問題にも影響が出てしまうのです。

人材育成に取り組もう~情報共有を行うメリットは?

このように情報共有が正しく行われていないと、様々なところで悪影響を及ぼし、会社にマイナスのイメージが付いてしまいます。そのような由々しき事態を避けるためにも、きちんと人材育成を行い、従業員の意識を変えていく必要があります。

では、人材育成をしっかりと行って、従業員の意識が変わり、情報共有が正しく機能するとどのようなメリットが生まれるか、ご紹介しましょう。

  1. 社内の状況や業務内容の見える化ができる

情報共有が円滑に進むことにより、いつ、どこで、誰が、どのような業務をしているのかが見える化できるようになります。業務の進捗を把握できるだけでなく、必要な情報を誰に聞いたらよいのか、万が一トラブルが起きたときに何が原因だったのかを素早く把握することが出来、次回の業務に活かすことができます。また、見える化された情報の中から、必要に応じて情報を獲得することが出来るため、業務の時間短縮にもつながります。

  1. 会社のノウハウを社内で共有できる

過去に起きたトラブル、必要だった専門知識、売上を飛躍的に伸ばした成功事例など、今までの様々な実績がそれぞれ会社にはあると思います。従業員それぞれが仕事を通じて取得したノウハウを共有することにより、会社全体のスキルアップにつなげることができます。また、トラブルなどは改めて何が原因だったのか見直すことにより、次回以降同様のトラブルが起こった際にも素早く解決することが出来ます。

  1. 業務の属人化を防ぎ、負担を軽減できる

「この仕事はこの人にしかできない」という業務が多いほど、特定の人しか知らない情報や仕事の負担が増えてしまいます。また、定年を迎えるなど退職をした場合に、ノウハウを失うという問題も発生します。

情報共有を行うことにより、誰もが必要な情報を自分で得ることが出来るようになり、特定の人への負担を軽減することができます。

人材育成を見直そう~情報共有を活用するために始めるステップ

人材育成がきちんと行われ、情報共有が正しく機能すれば、会社の様々な情報が見える化され、個々の負担を軽減したり、業務の時間短縮など様々なメリットが生まれます。

では、情報共有を正しく行えるようになるためには、何から始めたらよいのでしょうか。

  1. 情報共有を指導する際に、目的を明確に伝えよう

人材育成で情報共有の指導を行う際には、「なぜ情報共有を重視しているのか」目的を明確にしましょう。
ここで重要なことは、情報を共有する側と共有される側の認識が一致していることです。目的をお互い認識していることによって、どのような情報が必要なのかが共通認識となり、情報不足や不要な情報の伝達などから引き起こされるタイムロスを防ぐことが出来ます。

  1. 情報共有を指導する際に、ルールを設けよう

情報共有を行う際に、ルールを定めることによって、あいまいな基準が明確になり、情報を共有する側のハードルが低くなります。

情報を共有する際に「いつ」「どこで」「何を」の3つは必ず明確にすることにしましょう。そのほかの情報に関しては、部署やプロジェクトによって異なってくると思うので、その都度設定を行い、共有を行いましょう。

  1. 目的とルールを理解してもらったうえで、情報共有ツールを導入し、適切に使えるように人材育成しよう

部署ごとに情報の保管方法や共有方法が異なる場合、抜け漏れが発生したり、確認方法の違いによるタイムロスが発生する可能性があります。そこで情報共有ツールを導入することにより、情報の保管場所がまず共通になります。

また全社共通の情報や情報の共有方法などをフォーマット化しておくことで、ここが簡単に情報を見つけることが出来るようになると同時に、共有方法も全社で合わせることが出来るようになります。

情報共有ツールが正しく使えるように、研修などの場を設けて、きちんと指導してあげましょう。
この際に、重要なのは、前述した目的とルールを事前に理解していることです。ツールを使うことだけできるようになると、そもそも論で情報共有が形骸化することがあるので、気をつけましょう。

冒頭でもお伝えした通り、部下や若手社員が情報共有を「言われたからやっているだけ」になってしまい、本質を理解せず、いつ、どこで、何を共有すべきかわかっていないことは多々あります。会社や上司側も、「きちんと情報共有しろよ」と頭ごなしに怒るだけではなく、目的やルール、方法まできちんと指導し、人材育成していく必要があるのです。

情報共有を正しく機能させるためにも、今一度人材育成を見直してみることも重要かもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仲間と協力して仕事をこなしていく上で重要な情報共有。しかし、情報共有が正しく機能していない職場には原因があります。

  1. 情報共有を行う目的がわかっていない
  2. ルールが明確に定められていない
  3. 環境作りが出来ていない

また、情報共有を正しく活用すると様々なメリットがあります。

  1. 社内の状況や業務内容の見える化ができる
  2. 会社のノウハウを社内で共有できる
  3. 業務の属人化を防ぎ、負担を軽減できる

情報共有を正しく活用し、メリットを享受するためには、ポイントを押さえて従業員を人材育成しなければいけません。

  1. 情報共有を指導する際に、目的を明確に伝えよう
  2. 情報共有を指導する際に、ルールを設けよう
  3. 目的とルールを理解してもらったうえで、情報共有ツールを導入し、適切に使えるように人材育成しよう

もちろん、すぐに全社の足並みが揃い、情報共有が円滑に進むというのは難しいかもしれません。しかし、まずは上司が手本を見せ徐々に部下にも情報共有の仕方を学んでもらい、実践を繰り返し、習慣にすることにより、企業内の情報も見える化されるようになります。

また、会社側もきちんと人材育成を見直し、研修を設けるなどの、現場任せにしないアプローチが大切になります。業務内で活用することにより、外部の会社と仕事をする際にも好印象を与え、次の仕事につなげることが出来る可能性もあるので、ぜひ日々練習していきましょう。

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