さまざまな人の暮らしに大きな影響を与えた、新型コロナウイルスの感染拡大。
感染予防のために行動制限や三密の回避など様々な制約がある中で、働き方もテレワークなど今までになかった方法へと変更を余儀なくされています。それにより全員がオフィスに出社することが珍しくなったという企業も多いのではないでしょうか。ここで課題になってくるのが遠隔コミュニケーションです。
今回は、遠隔コミュニケーションの重要性と、人材育成におけるポイントをご紹介します。
部下から見た人材育成と遠隔コミュニケーション
テレワークを導入する会社が増えてきている中、様々な企業の方に話を聞くと多くの人が感じている壁の一つに「遠隔コミュニケーション」があげられます。
先日とある企業の新入社員の方とお話しした際にもこのような相談をされました。
「僕の場合、会社の入社式もリモートで、新入社員研修もほとんどオンラインや動画で、まだ同期みんなと直接顔を合わせたことがないです。研修中に仲良くなった人とは、オンライン飲み会などをしていろいろ話す機会を持つようにしているのですが、そこで共通して悩んでいたのは上司とのコミュニケーションなんです。」
私はよく部長さんなど上司の立場から話を聞くことが多かったのですが、部下の立場からの話も聞いて、改めてコミュニケーション面では対面式の方がよかったという意見が多いなと思いました。
対面時の場合は、上司が仕事をする姿を毎日近くで見ていると、「こんな工夫をされているのだな」「こんなことに気を付けて業務をされているのか」など、研修で教わったことを実践という形で見ることが出来たり、研修で教わったこと以上の学びを得られることがあります。
しかし、テレワークの場合、上司の仕事をする姿を間近で見ながら学ぶことはできません。また最近ではオンラインによる商談も増え、会議に同席しても会議前の準備や会議中の表情や仕草など、画面上から得られる学びには限界があります。
このように、書き出してみると、テレワークは対面と違って人材育成が難しいように思えます。
遠隔コミュニケーションでの人材育成の課題
また、さまざまな企業の人事担当と話した際に、人材育成を行う側から見ても下記のような課題が上がってきました。
・社員の業務状況が把握・管理するのが難しい
・社員のモチベーション維持が難しい
・社員に対する評価をつけにくい
・業務に適した人材育成がしにくい
・今までと研修内容を変更しないといけない
これらから浮かび上がってくる問題として、やはりコミュニケーション不足があげられます。
しかし、意識的にコミュニケーションを取っても、対面と違って相手から読み取れる情報が少なく、今までは言わなくてもわかっていたということがわかってもらえない場合があります。またこれは相手から自分を見たときも同様で、こちらの状況を見て察してもらうことは難しくなり、認識のずれが生じる可能性があります。
では、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。
人材育成を円滑にする遠隔コミュニケーションの5つのポイント
ここでは、テレワークの人材育成において、円滑なコミュニケーションを取るための5つのポイントをご紹介します。
①詳細の「言語化」
テレワークの場合、上司の仕事の仕方などを見て学ぶことが難しいため、仕事におけるポイントや詳細な内容を「言語化」する必要があります。また、部下も仕事内容や学んだ内容を言語化し、その内容を上司と共有することにより、不足している情報を補足したり、認識のずれを修正することもできます。
お互い感覚的にわかっているだろうと思って進めていると、知らぬ間に方向性のずれが生じる場合があるため、頭の中の整理も含め改めて言葉にしてみましょう。
②タスクの細分化
テレワークの場合、業務進捗の把握が難しいため、業務の洗い出しと進捗の共有が重要になります。
毎日予定しているタスクをすべて終わらせることが理想ですが、時には想定外の業務やアクシデントが発生することもあります。そんな時に、タスクを細分化しておけば、本来のスケジュールからどれくらい遅れているのか、また再度スケジュールを組む際にタスクの重要度によって優先順位を組むことが出来ます。
上司への報告にも活用できるので、細分化してみましょう。
③悩みなどを打ち明けやすい環境作り
画面越しでビジネスメールやチャットなどの無機質なやり取りのみ行っていると、部下から見ると上司との会話へのハードルが高くなります。その結果、上司と部下の間のコミュニケーションが取れず、質問などがしにくくなり、トラブルなどの重要な情報の共有が遅れてしまったり、部下の変化に気が付くことが出来ず、最悪離職に繋がってしまう場合もあります。
リモート環境でも、ちょっとした息抜きの雑談などのコミュニケーションを取り、仕事などの悩みも相談できるような信頼関係を築くことが重要ですが、リモートワークだと相談するタイミングが難しいと悩む人がいるのではないでしょうか。
そんな時には外部のツールなどを活用するのも方法の一つです。
例えば弊社が提供している人材育成ツールのあたりずむには、「気にかけ機能」というものがあり、ちょっとした悩みを気にかけてあげる仕組みづくりをしています。
このようなシステムなども活用しながら、周りと一致団結して壁を乗り越えることにより、テレワークの環境でも団結力を高めることができるのです。
④OJTの工夫
OJTとは、実際に職場で実務を行いながら、業務を学びます。しかし、リモートワークなどが増え、実際に現場で見て吸収したり、手取り足取り教えることが難しくなっています。
そこで活用したいのが、外部のセミナーや研修を受講して学ぶOff-JTです。
集合研修が行いづらくなった今、オンラインセミナーや動画コンテンツを活用した、テレワークに対応するサービスも増えてきています。また内容もオンラインを想定した指導内容なども含まれているため、OJTとOff-JTを組み合わせ、人材育成を行いましょう。
⑤定期的な1on1ミーティングの実施
テレワークの場合、直接顔を合わせて部下の様子を確認することが出来ないため、研修の学習状況や理解度、また研修後の成長度合いなどを把握することが難しいです。対面時以上にフォローを心がけるためにも、週に1回など定期的に上司との1on1ミーティングを設けて、現状の把握や必要に応じて学習計画や仕事内容の軌道修正を行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
コロナ禍により行動制限や三密回避により、今までのように出社が難しくなり、テレワークを導入している企業が増えました。
対面時の時には、部下は上司の仕事をする姿を毎日そばで見ながら仕事内容を吸収できていたのに対し、テレワークでは画面越しとなり、会議などに同席したとしても吸収できる内容が限られるようになりました。
また上司側からも直接部下とコミュニケーションが取れなくなったことにより、課題も生まれました。
・社員の業務状況が把握・管理するのが難しい
・社員のモチベーション維持が難しい
・社員に対する評価をつけにくい
・業務に適した人材育成がしにくい
・今までと研修内容を変更しないといけない
これらの課題を解決するためにも「遠隔コミュニケーション」を取ることが重要になってきます。
テレワークの人材育成において、遠隔コミュニケーションを取るための5つのポイントをご紹介しました。
①詳細の「言語化」
②タスクの細分化
③気軽に話しかけやすい環境作り
④OJTの工夫
⑤定期的な1on1ミーティングの実施
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