タレントマネジメント

タレントマネジメントを通じて組織比較を行ってみよう

企業が掲げている目標を達成するためには、従業員ひとりひとりの働きが重要になってきます。しかし、従業員の日々の動きをしっかり企業側で把握していない場合、目標の達成に遅れが発生したり、最悪の場合、目標をあきらめなくてはならない事態につながることもあります。

では、企業として確実に目標達成に近づくためにはどうすればよいのでしょうか。
今回は「タレントマネジメント」を活用した組織比較について着目していきます。

タレントマネジメントをどのように組織比較に活用するべき?

「企業」という大きなくくりの中は、様々な組織で構成されています。
それぞれの組織の中で、従業員が自分に割り当てられた業務をこなし、協力して業務を遂行していくことによって、企業目標を達成することが出来ます。

その組織を編成するときに活用できるマネジメント方法の一つが「タレントマネジメント」です。

タレントマネジメントは、従業員のスキルや能力、経験を見える化し、その情報を戦略的な人材配置や人材育成、採用に最大限に活用することで企業の成長につなげていくマネジメント手法です。また、タレントマネジメントにて見える化された情報から、従業員が組織にてそれぞれどのような働きをしてきたのかを把握することもできます。
この情報は、組織比較にも有効で今後の改善点を見つけることにもつなげることが出来ます。

先日とある企業の営業チームのお話を耳にしました。
営業3年目の同期6人をAチームとBチームの2つに分けて、新商品を営業してもらうプロジェクトを発足したそうです。売上100万円を目標に営業を行ってもらったのですが、3か月後、売上を見るとAチームは目標を超える120万の売上をあげ見事に目標を達成しているのに対し、Bチームは大体半分の50万程度の結果で未達成に終わってしまったそうです。

営業の経験も同期であれば同じくらいのはずなのに、なぜこんなにも差が生まれてしまったのか、頭を抱えていたようだったので、タレントマネジメントの導入をお勧めしました。
企業側も原因が知りたいということで、すぐに導入を行ったところ、様々な原因が見える化されました。

ここで大きな原因の2つをご紹介します。
1つ目として今回担当になった6人の今までの業務経験の違いです。
営業チームに配属されて3年という意味では、6人とも条件は一緒でしたが、詳しく経験を見てみるとAチームのメンバーは新商品の営業担当になった経験が数回あったのに対し、Bチームのメンバーは既存商品の営業が主となっており新商品の担当になったことはありませんでした。

2つ目としてスケジュールの立て方の違いです。
Aチームは今までの経験を活かし、大まかな販売計画を1週間で決定してすぐに営業を行っていました。その後は定期的にミーティングを設け、販売計画と現状を照らし合わせながら進めていました。それに対しBチームは販売計画や計画が遅延した場合はどうしたらいいのかなどを最初の1か月を使ってしっかりと計画を立ててから始めました。しかし、当初想定していた遅延以上に遅延が発生してしまい、その遅れを取り戻せないまま3か月が終わってしまっていました。

このように、実は企業側でも正確に把握できていない情報が多くあり、時に原因を正しく把握できないまま次のプロジェクトがスタートして、再度同じ現象に陥ってしまうという事もありえます。そのような負のループから抜け出すためにも、タレントマネジメントを活用して情報の見える化を行い、原因を特定する必要があります。

タレントマネジメントを導入するだけで解決?~組織比較を行って分析をしよう

では、タレントマネジメンで見える化された人材情報を基に、再度AチームとBチームを組みなおして営業を行った場合、必ず両チームとも100%を上回る売り上げが見込めるのでしょうか。

前回の結果と比較して、両チームとも100%を上回る確率は高まったと思いますが、外部的要因によるトラブルが発生したり、メンバーのモチベーションが保てず退職してしまう可能性も0ではありません。
また、前回Aチームの売上が120万だったのに対し、150万にアップする可能性も十分に考えられます。

このように、組織比較を行いながらこちらが最適な人材配置を行っても、必ず意図した結果にならない可能性もあります。
では、組織でプロジェクトを進めていく際に、タレントマネジメントを導入するうえでどのようなポイントがあるのでしょうか。

  1. 目標を明確にしましょう

タレントマネジメントは長期的に様々な情報の見える化を継続して行う取り組みです。目的に合わせた目標設定を行っても、スタートから時間がたつにつれて目標があいまいになってしまい、課題の方向性を見失ったり、モチベーションが下がって未達成に終わってしまう可能性も出てきます。そうならないためにもタレントマネジメントを活用して目標を明確にし、意識しながら組織で目標に向かって取り組みましょう。

新しい組織でプロジェクトを進めていく際には、最終目標は変わらなくて、中期的な目標は適宜変更になる場合もあるため、組織内でもすり合わせをしましょう。

  1. 人材データを常に新しいものにしましょう

タレントマネジメントの効果を最大限活用するためには、人材データの管理と更新が重要になってきます。できる限り詳細な情報を、常に最新の情報に更新し管理することで、最適な人材配置や人材育成を行うことが出来ます。

新しい組織でプロジェクトを進める際に、古いデータのまま更新されていないと必要な人材を最適に配置できず、プロジェクトの未達成につながる場合もあるため、タレントマネジメントシステムなどを活用し、従業員自身が更新できるような環境作りを行うことも検討してみましょう。

  1. 業務のプロセスを見える化しましょう

タレントマネジメントを継続的に活用していくためにも、人材データの更新からプロジェクト終了後の評価までのプロセスを見える化し、定期的に業務の1つとして行う必要があります。

プロジェクト終了ごとに振り返りもかねて分析を行うことにより、従業員やプロジェクトの今後の課題を見える化することが出来ます。

ここで見える化されたデータを基に次回プロジェクトを立ち上げる際にはどのような人材を配置するべきかなど、仮でいくつかの組織を編成し組織比較を行いながら最適な組織作りに努めましょう。

タレントマネジメントを活用して組織比較の基準となる目標を設定しましょう

組織比較を行う際に重要になるのが基準の見える化です。
組織比較を行っても「何がよいのか」という基準が人によって異なっている場合、正しい評価を行うことが出来ず、結果的に正しい組織比較が行えなくなります。

そのためにまずはプロジェクト目標を正しく設定する必要があります。プロジェクト目標は、次の4つに気を付けて設定してみましょう。

  1. 達成できる目標であること

企業の成長のために長期的に高い目標掲げることは大切ですが、実現不可能な目標の場合、組織全体および従業員の実力を把握できなくなります。
組織比較を正しく行うためにも、目標の設定はなるべく同等のものに設定しましょう。

  1. 具体的な目標であること

目標が抽象的な場合、プロジェクトメンバーのとらえ方次第で目標が変わってきてしまいます。今回の話であれば「売り上げ目標100万円」が具体的な数字の基準となります。
このように組織比較を行う際に、基準が具体的であれば客観的にも評価がしやすくなります。

  1. 達成度がわかる目標であること

目標は具体的であると同時に、目標に対して現在どれくらい進んでいるのか達成度を把握する必要があります。また未達成の場合でも、どれくらいまで達成できていたのかを見える化することによって、組織比較を行う際にも重要なデータの1つになります。

また他と組織比較を行った際に、全員が同等の達成度であれば目標自体の設定に誤りがある場合もありますので、注意してみてみましょう。

  1. 期限がある目標であること

企業として掲げている大きな目標を達成するためにも、プロジェクト目標にも期限を設ける必要があります。その際にプロジェクト全体の進捗や今までの経験も含め正しく期限が設けられているか判断する必要があります。

このようにプロジェクトの目標を正しく設定して見える化することにより、組織比較を行う際に何を基準に判断したらよいのかが明確になります。

まとめ

いかがでしたか?

企業が掲げている目標を達成するためにも、タレントマネジメントを活用し様々な情報を見える化する必要があります。その情報を基に組織比較を行うことで、今後どのように改善を行ったらよいか確認することが出来ます。

常に最新の情報を正しく管理して組織比較を行うために、タレントマネジメントを導入する際にも下記3つのポイントがあります。

  1. 目標を明確にしましょう
  2. 人材データを常に新しいものにしましょう
  3. 業務のプロセスを見える化しましょう

また組織比較を行う際にもいくつかの基準を明確にする必要があります。

  1. 達成できる目標であること
  2. 具体的な目標であること
  3. 達成度がわかる目標であること
  4. 期限がある目標であること

タレントマネジメントを活用して、これらの情報を見える化することにより、分析できる項目が増えより正確な組織比較を行うことが出来るようになります。

これからも成長し続ける企業になるためにも、他連携マネジメントを活用して組織比較を行ってみてはいかがでしょうか。

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