タレントマネジメント

タレントマネジメントを活用した企業や社員の目指す姿

皆さまの会社では、すでにタレントマネジメントを導入されているでしょうか?
導入が進んでいる企業もだいぶ増えてきましたが、まだまだ今後どうするか、検討中の企業も多数いらっしゃるというのが現状だと思います。タレントマネジメントをうまく活用すれば、目指す姿への到達がぐっと近づくのですが、実は活用の仕方が誤解されているケースをよく見かけます。

今回は、企業と社員に分けて、それぞれ目指す姿へ到達するためのタレントマネジメント活用について、ご紹介します。

タレントマネジメントは目指す姿を実現する手段

タレントマネジメントでよくある勘違いが、「タレントマネジメントを導入すれば企業の経営活動や社員の状態が良くなる」というものです。そして、タレントマネジメントの導入に悩まれ、情報収集している企業は、「そんなおいしい話があるか」「信用ならん」と不信感を抱いてしまうという場面をよく見かけます。
この勘違いの根本にあるのは、タレントマネジメントの目的化です。

語弊を恐れずに言えば、タレントマネジメントとタレントマネジメントシステムは別物なのですが、タレントマネジメントシステム導入のメリットや事例を見ると、タレントマネジメントシステムを導入すればそうなる、という印象を抱いてしまうため、あたかもタレントマネジメントがすべてを解決してくれるかのような誤解が生まれてしまっています。

タレントマネジメントシステムは、タレントマネジメントを実行するのを楽にしてくれる、サポート役なので、タレントマネジメントでやりたいことが決まっていることが前提。なので、タレントマネジメントシステムを導入すれば、決まっているやりたいことに到達できる、と謳うことができるのです。

タレントマネジメントで注意しなければいけないことは、「タレントマネジメントは手段の一つである」ということ。部下を育成する方法に、ほめる、叱る、教える、見守るなど、いろいろな手段があるように、企業や社員が目指す姿に到達するためのマネジメント手法もいろいろあり、その一つがタレントマネジメントです。

「今の時代、タレントマネジメントに取り組まないと時代遅れ。」
「タレントマネジメントを導入すれば時代に対応した経営が行える。」

といったことはないので、タレントマネジメントを導入しないというのも、正しい判断になります。

タレントマネジメントありき、ではなく、目指す姿を実現するために何が必要かを考え、実現のために役に立ちそうであればタレントマネジメントという手段を検討するというのが重要なのです。

タレントマネジメントを活用した企業の目指す姿

では、企業の目指す姿実現のために、どうやってタレントマネジメントを活用すればいいでしょうか?

まず、タレントマネジメントをざっくり一言でいうと、「企業で働いている従業員の能力やスキル、適性を発揮してもらえるように、人材配置や人材育成などを行う人事戦略のこと」です。
世の中にある様々な人事戦略と同様で、企業の目標を達成するためにという考え方のもと、作られています。

ここで絶対にやってはいけないことが、
「うちも従業員に能力やスキル、適性を発揮してもらいたいからタレントマネジメントを導入しよう」
と考え、意思決定してしまうことです。
前の項目で説明した、タレントマネジメントを導入したらすべて解決するという誤解、手段であるはずのタレントマネジメントの導入が目的化している、という状態です。

タレントマネジメントを導入したからといって、従業員が能力やスキル、適性を発揮してくれるとは限らないので気を付けましょう。

まず始めないといけないことは、企業の目指す姿を考えることです。
企業とは、永続的に存在することが第一ですが、そのためにビジョンやゴール、ゴールに向かうためのマイルストーンとなる経営目標、自社が存在する意義、使命(ミッション)、ステークホルダーに届けたい価値(バリュー)といった、目指す姿を考えます。

目指す姿がなければ、目指す姿に到達するための経営戦略を考えることはできません。いきなりタレントマネジメントという手段について話さず、まずは目指す姿を考えましょう。

目指す姿が見えてきたら、次に行うことは、目指す姿に向かっていくために必要なことは何か、課題は何かを考えることです。
必要なこと、課題に「人材の問題」が出てきたら、初めてタレントマネジメントの検討が行えます。

経営戦略を達成するために重要な成功要因である「人材」の現状分析ができていない場合、タレントマネジメントを導入することで、人材の見える化が行われ、事実に基づいた次のアクションが考えられるようになります。「人材」の現状分析がしっかり行えている場合は、わざわざ現状分析のためにタレントマネジメントを導入する必要はないでしょう。

このように、タレントマネジメントは、企業の目指す姿、経営戦略を達成する際、「人材」が問題として挙がってきたり、「人材」の現状分析が行えてなかったりするときに、役に立ちます。

タレントマネジメントを活用した社員の目指す姿

タレントマネジメントが役に立つのは、企業の目指す姿を達成する場面だけではありません。社員が目指す姿を達成する際にも、大いに役に立ちます。

詳しくは、「タレントマネジメントを活用したキャリアパスのススメ」に記載してありますが、タレントマネジメントにきちんと取り組んでいると、企業や社員は、社内にある職務や、それぞれの職務に必要なスキル・経験を把握することができるので、キャリアパスが見えやすくなります。

また、社員一人一人が、どんな仕事で、どんなパフォーマンスを発揮しているのか、どんな目標をもってどの程度達成しているかなどもわかります。つまり、企業は社員に、事業や経営戦略に基づいたキャリアパスを提示することができ、社員は企業が示したキャリアパスをもとに目指す姿を考えることができるのです。
そして、社員が目指す姿を達成するために、上司や企業がタレントマネジメントで見える化された従業員情報を活用しながら、データに基づいた支援を行っていくことも可能になります。

社員の目指す姿に到達するための、タレントマネジメントを活用した目標管理については、「タレントマネジメントを活用した目標管理」にも詳しく記載してありますので、興味のある方はぜひ目を通してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

目指す姿について、企業と社員、それぞれ分けてタレントマネジメントの活用をご紹介しました。
どちらも、タレントマネジメントを活用できますが、企業においてはまず目指す姿を考えてから、達成手段の一つとしてタレントマネジメントを活用し、社員においてはタレントマネジメントで見える化された従業員情報を活用しながら目指す姿を考えるという違いがありました。

どちらも、タレントマネジメント活用の仕方を間違ってしまうと、目指す姿とは違った方向に向かってしまうので、気を付けましょう。

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