人財育成の仕組みづくり

人材育成で従業員の達成感を得られる目標設定をしよう

時代の変化に伴い、どの分野においても求められるものは日々変化しています。企業が成長するうえでもそれは同じで、求められる人材が変化し、人材育成の手法も変化しています。しかし、周りに求められる人材にならなければと、会社も従業員もやみくもに頑張るだけでは、目的を見失ってしまい、伸び悩んだまま失速してしまう事態に陥ってしまいます。

では、どうしたら、従業員は仕事に対して達成感を感じ、日々頑張ることが出来るのでしょうか。

人材育成における達成感の重要性

先日とある企業の人事担当より相談がありました。
「去年は情勢の変化について行けず業績が下がってしまったのですが、今年は社員が一丸となって頑張り業績が右肩上がりになりました。しかし、個々ががむしゃらに頑張った結果なので、ちょっと疲れが目立ち失速気味なように感じます。来年以降新入社員の採用も検討しているため、急に人材育成を行ってほしいと言われているのですが、それぞれの仕事で手いっぱいで……。何から始めたらいいのか頭を抱えています。」

この企業は元々少数精鋭で少ない従業員で経営を行っているため、今まで即戦力である中途採用のみを行い、結果を求められる日々に部下から疲労の声が目立ち、悩み相談をされることが増えたそうです。従業員のモチベーションが下がっている中で、さらに来年「人材育成」に関する業務が増えた場合、モチベーションがさらに下がり最悪離職につながる可能性もあります。

この最悪なシナリオを回避するためには、既存の従業員のモチベーションを上げる施策を打つ必要があります。
ここで重要なのが「達成感」です。

どんなにがむしゃらに仕事をしていても、結局最終的な目標を持たずに目の前の仕事をこなしていくだけでは、「自分はなぜこの仕事を行っているのか」「将来なりたい自分になるためには、この経験は必要なのか」などとふと考えたときにわからなくなってしまいます。

しかし目標をもって仕事を行った場合、目標を達成することが出来れば、達成感を感じると同時に業務に対する自信につながるのです。

人材育成において達成感をえられてモチベーションがあがるタイミングは?

目標を達成した際の達成感によりモチベーションが上がるタイミングは大きく分けて2つあります。

1つ目は目標を設定したタイミングです。
仕事の目標が明確になったとき、従業員はこの目標を達成したいという気持ちが生じ、業務に対するモチベーションが向上します。その際に、目標を達成するためにはどうしたらいいのか、それぞれ分析を行い工夫をすることで、さらに業務に対する理解が深まります。

2つ目は目標を達成した時のタイミングです。
自分が設定した目標を達成した際、やり切ったことに対する達成感と満足感を得ることが出来ます。また、一度目標を達成した成功体験があることにより、次回以降目標を達成しにくい状況に陥ったとしても前向きに努力をして成功時のビジョンに向かって前向きに取り組むようになることが期待されます。また、従業員同士の間でも、自分の成功体験をお互いシェアすることにより、成功に対するイメージができるようになり、会社全体のモチベーションにもつながることが期待されます。

このタイミングに、アドバイスやフィードバックなどを行ったり、次の目標に向けての話し合いなどを設けることにより、モチベーションが高い状態を保つことが出来、仕事に対するやる気も向上していくと思います。

また、モチベーションが下がってしまっている従業員に対しても上記2点のタイミングが来る機会を増やすように、目標を細かく設定するなど人材育成面から働きかけることもできます。

人材育成において達成感を得るための目標設定

では、人材育成において、従業員が達成感を得られて、モチベーションを向上するような目標設定をするためにはどのようなポイントがあるのでしょうか。

  1. 目標項目の設定

はじめに、主軸として何を達成するのかというところから決めていきます。
項目は以下の4つです。

①向上や強化
現在の状況をより良くするためにはどうしたらいいのかという視点で考える目標です。

②改善や解消
現状発生している問題を改善したり、解消するという視点で考える目標です。

③維持や継続
現在の状況の品質を維持し、長く継続するためという視点で考える目標です。

④開発や創出
現在の状況を改善するために必要なものを開発したり、今までなかったものを創出するという視点で考える目標です。

なお、ここで重要なことは、従業員の目標と会社全体の目標の方向性にズレがないかどうかという点です。目標を設定しても、会社の目標との間にズレが生じている場合、結果的に必要のない努力をしてしまい達成感が得られない可能性があります。気を付けましょう。

  1. 達成基準の設定

次に目標項目が達成したかどうかを判断するための基準を設定します。
ここで重要なことは、個人の価値観によって左右されるものではなく、客観的に判断できるかどうかということです。そこで設定した目標に以下のような項目を追加して、より具体的にイメージできるようにしましょう。

①数値化
「今期の売上を前年度よりあげる」という目標を立てたときに、具体的に10万円や10%など数値化することにより客観的に見ても達成しているかどうかが可視化できるようになります。

②状態
「客先への資料の事前準備を早めにする」という目標を立てたときに、具体的に「当日の朝にはお客さんに出せる状態まで」だったり、「前日退勤までに同行の上司とダブルチェックを行う」など、より具体的に設定をすることにより、客観的に見ても達成しているかどうかが可視化できるようになります。

ここで重要なポイントは、達成基準が現実的なものかどうかという事です。難易度の高い目標を設定すると、途中で挫折してしまい達成感が得られなくなるという事態も想定されます。気を付けましょう。

③期限の設定
次に設定していくのは期限です。
この目標をいつまでに達成するのかというところを決めておかないと、後回しにしてしまったり、ずっと同じ目標をだらだらと続ける結果になってしまいます。そうならないためにも難易度に応じて期限を決めて取り組むことが大切です。

ここで重要なポイントは、達成基準と同様現実的な期間であるかどうかという事です。難易度の高いものを短い期間に設定してしまうと、達成できないことが続きモチベーションが下がってしまう可能性も出てきます。気を付けましょう。

④達成計画の設定
「項目(何を)」「基準(どのくらい)」「期間(いつまでに)」を決めたら、最後は日々どのようにその目標に向かって努力をするのかの計画を落とし込みます。

毎日取り組まないといけないのか、月に1度でも大丈夫なのか、また、自分以外の人の助けが必要なのか、ツールが必要なのか、など目標によって細かい設定は異なってくるため、目標を達成して達成感を得るためにも、達成計画をなるべく細かく設定しましょう。

達成計画を見える化することにより、自分で見ても、他の人から見ても計画通りに進んでいるのかを把握することが出来、日々軌道修正をすることが出来るようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

企業が掲げている目標を達成するためには、従業員の日々の成果が重要になってきます。日々の業務に対して前向きに取り組むためには、達成感を味わうことが重要なカギです。

そこでまずは目標を達成した際の達成感によりモチベーションが上がるタイミングを2つご紹介しました。
①目標を設定したタイミング
②目標を達成した時のタイミング

このタイミングを把握し、うまく活用することで、従業員のモチベーションを向上させ、会社全体のモチベーションの向上へとつなげることが出来ます。

そのために重要なポイントになってくるのが目標設定です。

  1. 目標項目の設定
  2. 達成基準の設定
  3. 期限の設定
  4. 達成計画の設定

目標を正しく設定することによって、日々目標を達成するという達成感が、成功体験となり、さらに次の目標にチャレンジしようというマインドへとつながるのです。

これからも企業全体で大きな目標に向かい、一人一人が達成感を感じていくためにも、今一度人材育成の面から目標を正しく設定してみるのはいかがでしょうか。

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