タレントマネジメント

タレントマネジメントと社員の自己診断で生まれる相乗効果

タレントマネジメントとは、企業で働いている従業員の能力やスキル、適性を発揮してもらえるように、人材配置や人材育成などを行う人事戦略のことです。
実はこのタレントマネジメントは、社員の自己診断と相乗効果を発揮し、企業のさらなる成長に寄与することをご存じでしょうか?

今回は、タレントマネジメントと社員の自己診断の関係性と、相乗効果を生むために企業ができることについてご紹介します。

タレントマネジメントと自己診断の関係性

まずはタレントマネジメントと自己診断の間に、どんな関係性があるのかから見ていきましょう。
冒頭でもふれたとおり、タレントマネジメントとは、企業で働いている従業員の“能力やスキル、適性”を“発揮”してもらえるように、人材配置や人材育成を行う、“人事の戦略”のことです。従業員のスキルや能力、適性を発揮してもらうためには、まず正しく様々な従業員の情報を把握しておかなければいけません。

一方、自己診断とは、自分の能力やスキル、性格や価値観などを、客観的に把握することを指します。
つまり、タレントマネジメントに必要な従業員情報のデータとなりうるものなのです。

タレントマネジメントと、自己診断をそれぞれうまく活用すると、下記のような相乗効果が期待できます。
・従業員が自己診断を行う際に、タレントマネジメントで見える化された従業員情報や会社の人事戦略の情報を活用することで、自分の強みや弱み、キャリア志向や適性などを明確にすることができる。

・タレントマネジメントの一環として、定期的に自己診断を従業員に行ってもらうことで、組織全体の従業員情報を更新することができる。

・従業員の自己診断の結果をタレントマネジメントにも反映することにより、企業が適切な育成プログラムや配置転換といった支援を従業員に行うことができる。

このように、タレントマネジメントと自己診断を相互に関係させることにより、企業や組織はさらなる成長を遂げるための相乗効果を得ることができます。
タレントマネジメントと自己診断は、切っても切れない関係性にあるのです。

タレントマネジメントを活用した従業員の自己診断方法

従業員が自己診断を行う方法は、世の中にたくさんあります。今回は、その中でも、すでに企業に導入されているタレントマネジメントを活用して、自己診断を行う方法をご紹介します。

タレントマネジメントを活用した従業員の自己診断方法で代表的なものが3点あります。

  1. タレントマネジメントで見える化された従業員情報を活用して、自分のこれまでの業務内容や成果を振り返る
  1. タレントマネジメントで見える化された従業員情報を活用して、自分のこれまでの評価情報や、上司や会社からのフィードバックを確認する
  1. タレントマネジメントで示されている会社や組織が求めている人材像や、ロールモデルとなっているほかの従業員情報を参照することで、自分が目指す方向性を認識する

それぞれもう少し詳しく見てみましょう。

  1. タレントマネジメントで見える化された従業員情報を活用して、自分のこれまでの業務内容や成果を振り返る

タレントマネジメントを導入している企業であれば、従業員情報の見える化が行われています。そのため、従業員一人一人が、これまでどのような活動をしてきて、どんな成果を出してきたかという、業務内容や業務成果も登録されています。

漠然と自己診断を行おうとしても、意外と自分の業務成果や良かったこと、取り組んでいた細かい業務などは忘れがちです。
記憶に頼ると、強く印象に残った思いや出来事に引っ張られがちになるので、タレントマネジメントに残っている業務内容や業務成果を参照しながら、精度の高い自己診断を行いましょう。

  1. タレントマネジメントで見える化された従業員情報を活用して、自分のこれまでの評価情報や、上司や会社からのフィードバックを確認する

1と同様に、タレントマネジメントを導入している企業であれば、従業員一人一人の評価情報や、上司・会社からのフィードバックといった情報が登録されています。

都度都度評価面談などで受けている情報ではありますが、時間の制約や、会話の流れから、すべての情報を得られていないケースは少なくありません。より正確に、自分の評価情報やフィードバックを自己診断に反映するためにも、タレントマネジメントに残っている情報を参照してみましょう。

  1. タレントマネジメントで示されている会社や組織が求めている人材像や、ロールモデルとなっているほかの従業員情報を参照することで、自分が目指す方向性を認識する

自己診断を行う際に、多くの人は目指すべき場所と自分の現状のギャップを確認し、足りているところ、足りていないところを認識していくかと思います。この時、自分が目指す方向性の情報が不明瞭、あるいは不正確だと、精度の高い自己診断が行えません。

タレントマネジメントを導入している企業であれば、会社や組織の目標が明確にされており、目標に到達するために会社や組織が求めている人材像の情報が見える化されています。

また、会社の中でTOPの成果を出しているハイパフォーマーの従業員情報も公開されているケースがあります。自分が目指す方向性を明確に、正確にするために、こうした情報を参照して、自己診断を行いましょう。

タレントマネジメントを活用した従業員の自己診断で企業ができること

最後に、タレントマネジメントと従業員の自己診断で相乗効果を生むために、企業が従業員をサポートできることについてご紹介します。

まず、前提として、タレントマネジメントを従業員の自己診断に活用してもらうこと、従業員の自己診断をタレントマネジメント、すなわち人事戦略に反映していくことというスタンスを持つことが重要になります。

従業員情報は個人の人事情報なので、一切秘密、ということになったり、従業員一人一人が行った自己診断は、企業の人事戦略とは切り離して考える、という状態は、タレントマネジメントと自己診断の間に相乗効果は生まれないので、気を付けましょう。
もちろん、人事情報をどこまで開示していいか、というのは、慎重に検討をする必要がある話なので、それぞれの会社で事前に確認と取り決めをする必要があります。

以上を踏まえて、企業が行える支援について、いくつかご紹介いたします。

  1. 自己診断ツールを用意する

世の中には、いろいろな自己診断ツールがあります。また、様々な自己診断手法もあります。
従業員一人一人がそれぞれ別の手法で自己診断を行うと、得られる情報がばらつく可能性があります。
自己診断をタレントマネジメントに生かしていくためにも、企業側として、ほしい従業員情報が得られるような自己診断手法、ツールを用意しておくといいでしょう。

企業側から手法やツールが提示されていることで、従業員も自己診断に取り組みやすくなります。

  1. 自己診断の結果をもとに、フィードバックや面談を行う

せっかく自己診断をしても、それが使われているということが従業員に伝わらなければ、従業員は自己診断に取り組むモチベーションを見出せなくなるかもしれません。自己診断をしてもらったら、その情報をもとに、フィードバックや面談を行う場を設け、情報を使っていることを明示しましょう。

一般的には、評価面談の際に活用することで、今後の従業員が目指すべき方向性を、会社や組織とすり合わせする形で行われています。

  1. 自己診断の結果から次の行動に移せる環境を用意する

従業員一人一人が自己診断を行った結果、それぞれ課題や改善点、あるいはもっと強化したい点などを見出すでしょう。見出した結果から、次の行動に移すモチベーションが湧くかもしれません。
そのモチベーションを奪わないためにも、企業や組織は次の行動に移せる環境を用意することが大切です。

例えば研修。課題や改善点を克服するような人材育成の体制が整えることができます。ほかには、新しい役割を与える、人事異動を行うなどがあります。

もっと強化したい点を見出した場合は、今以上の業務や役割に挑戦する意欲が湧くかもしれません。もしかしたら、自分の強みを生かす新しいキャリアに挑戦したいという意欲を持つかもしれません。

こうした意欲が湧いたときに、応えられるように企業や組織としては準備しておくことも重要になります。

まとめ

いかがでしたか?

タレントマネジメントと、従業員の自己診断の間に相乗効果を生み出し、企業や組織がさらなる発展を遂げるためには、いろいろな観点から準備が必要になります。
一度にすべて取り掛かる意気込みも大切ですが、できることから一つ一つ挑戦していくことも重要です。すでにタレントマネジメントを導入している企業が、次のステップに移る際に、ぜひ参考にしてみてください。

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