タレントマネジメント

タレントマネジメントを活用したコミュニケーションと1on1ミーティング

リモートワークなど新しい働き方が普及したことにより、広まっているタレントマネジメント。しかし、直接顔を合わせず個人で仕事をする時間が増えたことにより、今まで当たり前に取れていたコミュニケーションに高い障壁が生まれています。1on1ミーティングなどを設けて、少しでもコミュニケーションの時間を取る努力をしている企業もあると思いますが、さらに有効に活用するためにはどうしたらよいのでしょうか。

今回はタレントマネジメントを活用し、コミュニケーションを活性化するためにはどうしたらいいのか、事例も踏まえご紹介します。

タレントマネジメントとコミュニケーション

先日とある企業の営業部長さんとお話しをする機会がありました。
「今年から新たにうちの部署に来た社員が2人いるんですけど、なかなかコミュニケーションをとる機会がなくて、思っていることをちゃんと聞いてあげられる環境づくりが出来ているか少し不安なんです。慕ってくれている感じはするのですが、ずっと一緒に働いているメンバーと比較すると壁を感じてしまっていて……。」

以前から部署全体で話をする機会が多く、営業先に行く移動中やちょっとした空き時間等にも個別でコミュニケーションが取れるような環境だったのですが、オンライン会議への移行やリモートワーク、分散出社などの導入により、コミュニケーションを取る機会が少なくなってしまったことによる影響が今後出てくるのではないかと不安に思われているようでした。
家族と過ごせる時間も増えたと喜んでいる従業員も多く、これからもリモートワークを継続したいため、何か良い方法はないかと相談を受けたので、今回タレントマネジメントと1on1ミーティングの導入をご提案しました。

コミュニケーションを確保するうえでも、最近1on1ミーティングの重要性が上がってきています。
ただ、1on1ミーティングの開催が目的になってしまっては、正しく機能せずに、せっかく確保した時間が無駄になってしまいます。そこで、開催時に気を付けたいポイントがいくつかあります。

まず、上司が一方的に話す場にならないことが大事です。
1on1ミーティングでは部下から話を引き出すことが重要です。現状の考え方や目標達成のための対応策などを部下自身に考えさせることによりスキルの課題解決力の向上につながっていきます。

そして、単なる情報共有の場にならないようにも気を付けましょう。
1on1ミーティングでは単なる業務連絡ではなく、相互でコミュニケーションを取ることが重要になります。コミュニケーションを取って信頼関係を築くことにより、些細な情報のキャッチアップ等にも繋げることが出来ます。

そのために重要になってくるのが、部下がどのような悩みを持っているのかを早い段階で気が付き、フォローすることです。一人で悩む時間を増やしてしまった場合、仕事へのモチベーションが下がってしまい、最悪離職に繋がってしまう可能性もあります。

また、良い結果に対して、いち早く評価を行いモチベーション向上につなげたりすることもできるのです。モチベーションの向上により業務への関心が高まったり、組織全体の士気に繋がっていくのです。ただし、自分の業務に余裕のない中で、部下の見えない気持ちの部分の情報を細かく把握したり、キャッチアップをするのは大変なことです。

ここで、情報の見える化ができるタレントマネジメントが活用できるのです。
タレントマネジメントとは、従業員の持っているスキルや能力、今までの経歴やこれからの目標といったありとあらゆる情報をデータ化して活用することによって、戦略的に人材育成計画を立て、管理に役立てる人材マネジメントの手法です。

しかし、従業員情報の整理を一から百まで全部自分で行わないといけないとなると、作業量は膨大で終わらず、そのまま導入できず挫折してしまったという企業も少なくないのではないでしょうか。そこでタレントマネジメントツールを上手に活用していきましょう。

タレントマネジメントツールを導入する際は、なぜタレントマネジメントを導入するのか従業員に意図を正しく伝えることがポイントです。
なぜなら、タレントマネジメントを成功させるためには従業員の協力が不可欠だからです。

なぜタレントマネジメントを導入するのかを従業員がしっかり把握し、今後の自分のために重要であることが理解できれば、自然と従業員情報は常に従業員の手により更新され、従業員データの最新情報を把握することが出来ます。

もし、従業員の理解が浅い場合、業務量が増えただけというマイナスな印象を持ち、導入を行ったものの機能せずに終わってしまうこともあるのです。

タレントマネジメントツールを導入する際に、従業員とコミュニケーションをしっかりと取り、システムの意図を十分に伝えましょう。

タレントマネジメントを活用しコミュニケーションと1on1ミーティング

今回はコミュニケーションを取るために設けた1on1ミーティングをさらに従業員の成長につなげるための、タレントマネジメントの活用方法をご紹介します。

事前準備

タレントマネジメントで見える化された情報を活用します。上司はミーティングで話したいことを事前にまとめておくことも重要ですが、それに加えて部下の現状や、現在の目標などを把握するとともに、今後の対応策等を検討します。

実施

目標や現状をはじめ、見える化された情報をもとに、フィードバックや評価を伝えたり、今後の方向性について話し合います。

振り返り

ミーティングで決めたことや、ミーティングで感じたこと、ミーティングを行った後の満足度などを、タレントマネジメントツールに入力し、1on1ミーティングの情報も見える化をします。そして、その情報をもとに振り返りを実施しましょう。

改善

部下へのフォローや今後のアプローチなど、次回のミーティングに向けて見える化された情報をもとに考察を行い、実行に移します。

この4つの工程を繰り返し行い、適切にアプローチやコミュニケーションを行っていくことで、部下は上司が自分のことをわかってくれている、見てくれていると感じ、より一層信頼関係が深まるのです。

このようにタレントマネジメントツールを利用し、ミーティングを行うごとに事前の情報を共有したり、振り返りを実施することによって、相互が伝えたかったことの認識のずれもなくなり、設定した目標に対し正しく努力をすることが出来るようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

以前は隙間時間に気軽にとることのできたコミュニケーション。
良いことも悪いこともシェアしやすかった環境から一変し、一人で悩むことが増えなかなか自分から相談ができないという従業員も少なくないのではないでしょうか。

そこで従業員情報の見える化のためにタレントマネジメントの導入を考える、また実際に導入している企業も多いと思うのですが、導入時に必要なコミュニケーションとして、なぜタレントマネジメントを導入するのか意図を正しく伝えることが重要です。

そして導入後の活用方法として、1on1ミーティングを用いたタレントマネジメントの活用法をご紹介いたしました。下記4つの工程を繰り返し実行することにより、上司と部下の間にもより一層信頼関係が生まれます。

  1. 事前準備
  2. 実施
  3. 振り返り
  4. 改善

企業側でもコミュニケーションのきっかけをたくさん設けることによって、従業員同士が自然とコミュニケーションを取るようになり、切磋琢磨できる環境づくりにも繋がります。

せっかくこれからの企業の成長のために導入したタレントマネジメントを活用できず終わらせないためにも、従業員同士や上司部下間のコミュニケーションに紐づけ、モチベーション向上、そして目標達成意欲につなげていきましょう。

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