人財育成の仕組みづくり

人材育成に必要なスキルといわれる7つの力

企業の円滑な経営活動に必要不可欠となるのが、企業戦略を遂行できる優秀な人材です。
社員が企業戦略を遂行できる力を身に着けられるように環境を整える人材育成は、企業経営の中でも重要な位置を占めています。では、優秀な社員を育成する際に求められる、人材育成に必要なスキルには、いったいどんなものがあるでしょうか?今回は人材育成に必要なスキルとして、7つの力をご紹介いたします。

人材育成に必要なスキルその1~基本となる3つの力~

一口に人材育成といっても、携わる関係者にはいろいろな立場があります。
例えば、社員の上司。
業務の中で、部下が成果を上げられるようにマネジメントするのが主な役割ですが、多くの企業では、マネジメントの一環として、部下を育成することも求められています。
また、別の立場では、人事部や人材開発部などの、社員の育成に携わる部門の社員、という立場もあります。
社員の育成に携わる部門の社員は、上司とは違い、社員の業務の中で育成や指導をすることは多くないですが、研修やキャリアパスの構築等の形で社員を育成することを求められています。
このように、立場が違うと、人材育成の形や携わり方が変わるので、求められる必要なスキルは変わってきますが、どの立場にあっても重要な、基本となる3つの力があります。
それが、「観察力」、「共感力」、「洞察力」です。

① 「観察力」

まず、人材育成の前に、部下や社員をよく観察することが重要になります。
部下や社員は実際に何をしているのか。どう感じているのか。
相手のことがわからないと、そもそも何をどう育成すべきかわかりません。
まずは言動を観察し、知識やスキル、行動特性、価値観などを知ることから始めましょう。
「観察力」は人材育成の最初に必要なスキルであり、最も根底にある基本となる力です。

② 「共感力」

人材育成では、部下や社員が何に悩んでいるのか、どういうことに苦しみ、どういうことに喜びを感じるのか共感できることが重要になります。
共感できなければ、どんなに観察し、起こっている事象を把握できても、どう支援すべきか、何を育成すべきか理解することができません。
相手に寄り添う「共感力」は、人材育成に必要なスキルであり、人材育成の効果を下支えしてくれる力です。

③ 「洞察力」

「洞察力」とは、物事の性質や原因といった、本質を見抜く力のことです。
人材育成を効果的に行うには、「観察力」と「共感力」だけでは不十分で、観察と共感の結果から深く洞察し、どうすれば部下や社員がもっと成果を上げられるか、何が課題になっているかを見抜く必要があります。
故に物事の本質を見抜く「洞察力」は、人材育成に必要不可欠なスキルなのです。

どんな立場であっても、人材育成に携わるには、部下や社員の言動を観察し、悩みや苦しみ、喜びに寄り添い共感しながら、深く洞察することで課題を見出す必要があります。
本質的な課題を見出すことができれば、より効果的な人材育成を行えるようになるので、「観察力」、「共感力」、「洞察力」は人材育成に必要なスキルの中でも、基本となる3つの力だと言われているのです。

人材育成に必要なスキルその2~人材開発部門に求められる4つの力~

今度は、人材育成に必要なスキルの中でも、特に、人材開発部門に求められる力を見ていきましょう。

人材開発部門では、企業の戦略を遂行できる社員を育成するために、様々な活動が求められています。
人材開発部門で求められる活動を網羅的に考えると、次の4つの力が必要なスキルといえます。

① 人材開発施策の企画・立案力

企業の経営陣はもちろん、現場や関連部門ともコミュニケーションを取りながら、経営戦略に基づく人材開発の計画を立案する力のこと。

② 人材開発施策の実行管理力

計画、立案された人材開発の各施策において、目標設定や実行管理、レビューを適切に行ない、目的に沿った人材開発をマネジメントしていく力のこと。

③ 人材開発施策の人材管理力

計画、立案された人材開発の各施策を実施するにあたり、必要なリソースを調達し、目標達成に向けて社内・社外とコミュニケーションを取りながらマネジメントしていく力のこと。

④ 研修講師力

研修の講師として、研修を実施したり、教材開発・制作を行なったり、設備や運営のマネジメントを行なったりする力のこと。

この4つの力は、人材開発部門が企業の戦略を遂行できる社員を育成する様々な活動に必要なスキルですが、人材開発部門に所属する人間全員が、4つの力すべてを持っていなければいけないわけではありません。

例えば、企業によっては多くの研修を社外の研修会社に依頼している場合があります。
その際は、研修講師力はあまり必要といえず、企画立案力や実行管理力、あるいは人材管理力が必要になります。
逆に、自身が研修講師として登壇する機会が多い場合は研修講師力が必要なスキルといえるでしょう。

また、社内の専門的なスキルを伝授し、技術伝承を行うような人材育成に力を入れている場合は、講師となってくれるベテラン技術者との調整や、専門機材などのリソース調達と、コミュニケーションが重要になってくるので、人材管理力が求められます。

このように、人材開発部門に求められる4つの力は、基本となる3つの力とは違い、状況に応じて身に着けていけばよいスキルなのです。

まとめ

いかがでしょうか?
今回は優秀な社員を育成する際に求められる、人材育成に必要なスキルとして、基本となる3つの力と、立場によって必要となる4つの力をご紹介しました。

人材育成には様々な立場の人が携わります。
立場が違うと、人材育成の形や携わり方が変わるので、求められる必要なスキルは変わってきますが、いずれの力も、企業としては不可欠な、人材育成に必要なスキルです。

全員が全ての力を身に着けるのもいいですが、組織として総合してスキルを保有するのも一計。
人材育成に必要なスキルを、企業としてどう身に着けていくかを考える際にぜひ参考にしてみてください。

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